時計の愛好家が何故、コンプリケーションウォッチに行き着くのか?
腕時計の愛好家やコレクターの方達が最終的に行き着くとされる【コンプリケーション・ウォッチ】
その魅力はどこにあるのか?
そもそも、コンプリケーションって何?と言う方も必見です!
コンプリケーション・ウォッチ
「コンプリケーション」とは英語で「complication」日本語では「複雑な・複雑にする・複雑な関係(結合)」と言った意味になります
つまり、コンプリケーション・ウォッチとは【複雑に結合した時計】となるのです
時計の世界で「複雑」と言えば、この時計の雑学でも何度も出てきている「複雑機構」ですよね
パーペチュアルカレンダー・ミニッツリピーター・トゥールビヨン
これらの3大複雑機構に加え
① ムーン・フェイズ
月の満ち欠けがダイヤルの上に表現された機構の事
昔は太陰暦と呼ばれる月の満ち欠けの周期を基にした暦が使用されていたので、その頃は実用的な機構だったのかもしれませんが、現在は実用的な機構とは言えませんよね
それでもこの機構が現在でも良く搭載されるのは単純にその美しさ(デザイン性)によるものです
「月」と言えば神秘的で、なんとなく癒される気がしますよね
各時計ブランドによってその表現も様々で、そこがまた魅力に繋がっているようです
2つの時間を同時に計測する事が出来るストップウォッチ機能の事
こちらは以前、クロノグラフの徹底解説でも書いているので詳しく知りたい方は合わせて読んでみて下さいね
③パワーリザーブ・インジケーター
機械式腕時計の駆動は巻き上げたゼンマイが解けていく力を利用しています
この完全に巻き上げた状態から完全に解ける(時計が止まる)までの時間をパワーリザーブと呼びます
腕時計の仕様に「パワーリザーブ72時間」等の表記を見たことがある方も多いと思いますが、つまりこれは「ゼンマイを完全に巻き上げた状態から72時間は駆動する」という意味なのです
そして、パワーリザーブ・インジケーターとはダイヤル上で残りの駆動時間が目視出来る機構の事
この機構、単純なようで実はめちゃめちゃ複雑な機構です
なので、この機構が搭載されている時計はかなり高度な技術を持って組み上げられた高級時計と言う事になります
④レトログラード
針が扇状に運動する機構の事
通常の時計の針は円を描くようにぐるぐると回る運動をしていますよね
レトログラードではメモリが扇状に配されており、針は最終地点に到達すると瞬時にスタート地点に戻るという運動をしています
これら4つの複雑機構を合わせて、7つの複雑機構
これらの機構を搭載している時計をコンプリケーション・ウォッチと呼ぶのです
グランド・コンプリケーション
さらに、コンプリケーション・ウォッチの上位モデルであるグランド・コンプリケーション・ウォッチ
こちらは、上記7つの複雑機構から2つ以上の機構が同時に搭載されているモデルの事を指しています
これは、各ブランドによって様々若干の違いがあり定義ではありません
ブランド毎にグランド・コンプリケーション(機構を搭載する事が出来る技術力)に対する誇りと矜持、そしてこだわりがあるようです
コンプリケーションの魅力
上記でもお伝えしましたが、グランド・コンプリケーションに定義はありません
ブランド毎に様々です
これが、じっくり見ていくととても面白いのです
古い歴史を持つ時計ブランドには機構を開発した(基礎を作った、または改良し品質を上げた)などの技術に対する誇りと矜持、こだわりがあります
それが、グランド・コンプリケーションには良く表れています
例えば、
・ゴングを発明したブレゲのグランド・コンプリケーションにはミニッツリピーター(ソヌリ)が搭載されているモデルが多い・・
・技術性と芸術性この両立を追求しているパテック・フィリップのグランド・コンプリケーションにはムーン・フェイズが搭載されているモデルが多い・・
こんな風に、ブランドの思いの様なものがグランド・コンプリケーションには表れているような気がします
そして、それはコンプリケーション・ウォッチの大きな魅力の一つなのではないかと思います
コンプリケーション・ウォッチはそもそも高い技術力がなければ作れません
それがそのまま魅力であったり、複雑に組み合わさった機構自体が魅力になっているのは言うまでもありません
それに加えて、ブランドの歴史、思い、プライド
それらが絡み合ったコンプリケーションの魅力はとても大きく、人を惹きつけるのかもしれませんね
是非、ブランド毎に違うコンプリケーションのこだわりを比べてみて下さいね