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時計の雑学

誰かに話したくなる、時計の雑学!「時の記念日って知ってる?」

公開日: 2021/07/16

日本には様々な「〇〇記念日」が存在しています
有名な記念日を挙げれば11月22日(良い夫婦の日)や2月22日(猫の日)などでしょうか?
「時」にも記念日があるんですよ!知っていましたか?
今回はあまり知られていない「時の記念日」についてご紹介します!

 

 

 

 

時の記念日

 

ずばり!時の記念日は【6月10日】です!

 

 

良い夫婦の日も猫の日も(にゃんにゃんにゃん)語呂合わせから来ています
日本の多くの記念日は語呂合わせで制定されているものが多いです
では時の日、6月10日はどうでしょうか?

 

どうやら語呂合わせではないようですね・・
では何故、6月10日になったのか?

 

昔々その昔、天智天皇10年(671年)4月25日漏刻(水時計)によって太鼓や鐘を打ち、初めて「時を知らせる」事をしました
この日を、現在のグレゴリオ暦にすると6月10日になるのだそうです
よって、この日を「時の記念日」に制定したそうです

 

「天智天皇が漏刻によって時を知らせた」という、この記述は「日本書紀」の中に書かれているもので
日本書紀は日本最初の歴史書と言われています
こんな遥か昔の出来事を知ることが出来るって凄いですよね?

 

 

 

 

第一回「時の記念日」

 

時の記念日は1920年(大正9年)に制定されました

 

大正と言えば、新しくアニメシリーズが発表された「鬼滅の刃」の舞台となっている時代です
西洋文化と日本文化が入り混じり、急速に近代化が進められていた時代ともいえます

 

現在は太陽暦による定時法ですが、明治5年までの日本では不定時法が採用されていました
不定時法とは季節によって一時間の長さが変わるもので
当時は一日を昼と夜の2つに分けそれぞれを6等分していました
いわゆる「草木も眠る丑三つ時」というやつですね

 

長い間不定時法に慣れ親しんだ人々が、祭事や行事の時期にも変更が出る定時法に適応するには何年もの時間がかかったと言われています

 

そして迎えた大正時代
定時法にも慣れた人々でしたが、まだ時間に対する価値観はそこまで高くありませんでした
近代化を進め、世界と渡り合う為に「時間厳守」や「時間で区切りをつけ行動する事」「時間を節約する事」による効率性の向上が重要とされたのです

 

1920年5月には東京お茶の水にある東京教育博物館で「時の展覧会」が開催されるなど、この年「時間」に対する認識を深めようと様々な催しが企画されました
その中で「時の記念日」も制定される事になったのです

 

第一回「時の記念日」には東京市内の小中学校で記念講話が開かれたり、銀座や日本橋ではビラが配布されました
また、天文台からは標準時計が運び出され、道行く人に時刻を正確に合わせるよう促しました
正午には東京ニコライ堂の鐘が鳴るなど、各所で時報が響いたそうです

 

 

 

 

 

明石市立天文科学館

 

世界各国間で経済や交流が盛んに行われるようになり、「標準時間」が制定されたのは
以前 「とっても便利「GMT」機能! 【GMT】と【UTC】の違いとは?」の中でご紹介しました

 

これに伴い日本における標準時間も東経135度の子午線と定められています
この子午線上に立つ「明石市立天文科学館」が開館したのも6月10日(1960年)なんです!

 

 

時間と星(天文)とは切っても切り離さない密接な関係があります
当時としては非常に珍しかった大型のプラネタリウムを兼ね備えた明石の天文台は「」と「宇宙」に関する
科学館として地元の方々に愛され、現在でも「」と「宇宙」について学ぶ事が出来ます

 

 

 

 

現在の「時の記念日」

 

第一回の「時の記念日」を企画した団体が毎年関連行事を行っていましたが、戦後は時計の業界団体や民間団体が関連行事を行っているようです

 

もちろん明石天台でも6月10日には毎年イベントを行っているようです

 

また、滋賀県大津市に建立されている「近江神社」は天智天皇を祀っており(なんと創建の地鎮祭は6月10日だったそうです)「時の記念日」の由来ともなった天智天皇が時刻を知らせる為に用いた漏刻が設置された場所と言う事もあり、現在でも毎年6月には「近江神社漏刻祭」が行われているそうです

 

 

音によって時刻を知らせたって事は、これが日本で初の「時報」という事になるのでしょうか?
日本には様々な記念日があって、調べてみると面白いですよね

 

来年の6月10日には、もっと「時間」を意識して過ごしたいと思います・・