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時計の雑学

誰かに話したくなる、時計の雑学!「時計は何故右回り?」

公開日: 2021/05/26

日常生活で毎日当たり前に見ている時計
アナログ時計の針は右回りに進んで行きます、当たり前です
でも何故、全世界共通で右回りなんでしょうか?

 

 

 

 

時計の始まり

 

その答えは「太陽が東から上り西に沈む」からです

 

 

昔々、その昔、まだ時計がこの世界になかった頃
人々はおおよその時間を太陽の位置によって把握していました
もちろん太陽の位置は季節によっても変わりますし、人それぞれの感じ方によって大きく変わります
私には、当時の生活は想像する事しか出来ませんが「もうすぐ朝だなぁ」とか「もうお昼なんじゃない?」といった感じだったのでしょうか?

 

その後、古代エジプト
今から3000年位前、巨大なオベリスク(古代エジプトで神殿などに建てられた記念碑、モニュメントの一種)によって出来る影で時間を計るようになっていきます

 

日時計の始まりです

 

 

日時計で正確に時刻を知るためには、緯度によって指針の傾きを調整しなくてはなりません
なので、この最初のオベリスクの影はもちろん正確ではなかったと思いますが、それでも凄いですよね
オベリスクに出来た影を見て、「これって一日で一周してるな」と最初に気づいた人!
日常生活の中で毎日見ていたり当たり前に「そうだ」と思っている事に対して、改めて何かを気付くって凄いと思います

 

この後、水時計や砂時計などが生まれるのですが
最も簡単で市井の人々が気軽に時間を知ることが出来たこの「日時計」が一般的に広まっていきます

 

 

 

 

時計の発展

 

さて、話は戻ります
もうお気づきの方も多いと思いますが、日時計で出来る影は右回りで動いていきます

 

そうです、元々日時計で右に回る時間の流れを見ていた為、機械式となってからも右回りになったんですね

 

しかし、ここでまた一つ疑問が・・
南半球ではどうなるんでしょうか?

 

そもそも、南半球では全てが逆ですよね
では太陽も「西から上って東に沈む」のでしょうか・・?

 

太陽は東から上って西に沈む

 

これは不変です
では、何が逆になるのか

 

北半球での太陽の動きは「東から上ってを通り西に沈む」です
それが、南半球では「東から上ってを通り西に沈む」となるのです
よって、太陽が東から上って西に沈むことに変わりはないのですが影の出来る方向は逆になります

 

日時計の影の周りは左周りとなるのです

 

では、何故今や全世界共通でアナログ時計が右回りとなったのでしょうか?
それは、機械式時計の発展をたどればすぐに分かります

 

元々、時計の始まりは古代エジプトの日時計と言われています
その後、水時計の発明も古代エジプトでした、そして脱進機を使用した水時計が唐で発明されます
これが世界初の機械式時計と言われています

 

その後天文時計が宋で、機械式アラームの目覚まし時計がオスマン帝国(現トルコ)、振り子時計がオランダで発明されます

 

もう、お気づきですよね
時計の新しい発明はほとんどが北半球なんです

 

その後、機械式時計の小型化が進み、ヨーロッパで時計産業が花開き、その産業はスイスに集まっていきます
現在でも、有名な時計ブランドのほとんどがその本社をスイスに構えるなど、現代でもスイスが時計産業の中心地と言えるでしょう

 

 

 

これらのことから、時計の針の進方向は右回りが殆どとなり
世界共通で「時計は右回り」となったんです

 

 

 

 

現在のアナログ時計

 

現在でも全世界共通で、「時計回り」なんて言葉があるくらいアナログ時計は「右回り」が当たり前ですよね

 

今では「左回り」のアナログ時計もあるにはあるようですが、まだまだデザインの一つなのかな?という印象です
多様化が進み、デザインが自由になり遊び心の一つとして「左回り」アナログ時計もあるようですが、まだまだ探すのが難しいくらいです
私の知る限りでは、いわゆる高級時計ブランドからは発表されていないと思います
(時計ブランドではないですが・・、南米ボリビアの議会議事堂は左回りの時計が設置されています、これは南半球に暮らす人々に敬意を表したものだそうです)

 

それほど「右回り」が共通されているって凄いですよね
「右回り」になった理由ではなくて、「左回り」に出来ない理由が何かあるんでしょうか?
いつかその辺りも、調べてみようと思います

 

時計の歴史は古く諸説あるとは思いますが、今回ご紹介した説が有力と言われているようです
遥か昔の本当の事は誰にも分かりませんが、想像するのは楽しいですよね
時計の進化と人の営み、時計の「右回り」にもちゃんと理由があるんですね!