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時計の雑学

時計の修理や中古時計でよく見かける「外装仕上げ」とは?

公開日: 2021/05/25

時計の修理を調べるとオーバーホール、傷取り、磨き、外装仕上げなんかが良く出てきます
中古時計の購入を考えた時にも、コンディションや商品の状態などで「外装仕上げ」が出てきます
この「外装仕上げ」が具体的にどういう状態なのか、今回は書いていこうと思います

 

 

 

 

外装仕上げ

 

具体的には、研磨によって傷を無くす事です
「外装仕上げ」「新品仕上げ」「研磨」等、店舗や工房、会社によって呼ばれ方はまちまちですが概ね同じ作業の事を指しています
また、金属の表面を鏡のように磨きあげる「ポリッシュ」や同じ方向に細かい線を入れる事によってマットな艶消し効果を得る事が出来る「ヘアライン」等の仕上げ方法があります

 

 

腕時計は毎日日常生活で使用します
気が付かないうちにどこかで擦っていたり、汚れを取るために布で拭いたりしても目に見えない様な微細なゴミなどで小さな傷が付いてしまったりするものです
その様な小さな小さな傷でも積み重なれば時計全体のくすみになったりするのです

 

外装仕上げは研磨によってこれらの小さな傷を削り取り、新品の様な状態に戻す事を指しています
かなり深い傷や、凹みは取れない場合もありますが、日常生活で付いてしまった小さな傷などは綺麗に消すことが出来ます

 

 

 

 

外装仕上げによるデメリット

 

くすんでしまっった時計が新品の様な輝きを取り戻すならどんどんやった方がいいじゃないか!
と、思ってしまいそうですがそうではありません

 

先ほどお伝えしたように、外装仕上げは「研磨」によって傷を削り取っているのです
それはつまり、ケースを削っているという事
なんども外装仕上げを行うとケースが削れてしまい形が変わったり、最悪の場合には防水性が衰える場合も・・

 

外装仕上げの限度は5回程と言われており、それ以上はケース自体の交換が必要です
ですので、外装仕上げは「ここぞ!」という場合にとっておきたいですね

 

 

 

外装仕上げのコツ

 

時計の外装仕上げには、傷の大きさや深さによって新品同様に綺麗になる場合と傷が残ってしまう場合があります
ですので、ご自身の時計がどの程度綺麗に仕上がるか予めしっかりご相談しておく事をお勧めします

 

 

また、作業の多くは熟練の職人の手によって一つ一つ手作業で行われることが殆どです
ですので、どこにお願いするかはよく考えて決める事をお勧めします
時計の修理や外装仕上げをどのくらい行っている(←どれくらいの実績がある)か、どんな時計を扱っている(←どのような時計を得意としている)か、今では簡単にネットで調べられますし予めその店舗が信用にたる店舗かを調べておくのも大切な事だと思います

 

後は、価格ですよね
時計の修理や外装仕上げは時計のブランドやモデル、素材によって価格が大きく異なります
その為、事前に見積もりをお願いするなどしてみてもいいかもしれません

 

あまりに低額な場合は作業が雑である可能性もあります
また、あまりに高額な場合もおかしいと思った方がいいでしょう
その時計の適正価格内であるかどうかも大きな判断材料になると思います

 

 

 

 

メンテナンスと外装仕上げ

 

時計は精密機器です
時機械式の腕時計であれば3年~5年でオーバーホールが必要と言われています、クォーツ式でも4年~5年でオーバーホールした方がいいとされています
故障してからの修理では最悪ムーブメントの交換などが必要になる場合もあり、その場合高級時計であればそれなりの金額になってしまう事も珍しくありません
オーバーホールは事前に弱っている部分を見つけ出し早めに処置する事で結果、費用を抑えたり時計の寿命を長くする事が可能です

 

外装仕上げはオーバーホール等のメンテナンスとは違い、必要なものでも、した方がいいものでもありません
しかし、自分の愛用時計が綺麗な新品同様に蘇ると思うとやっぱり嬉しいものですよね
そうやって大切にする事で、より愛着も沸きそうです

 

 

メンテナンスを定期的に行いつつ、気になる傷が付いてしまった時や長年の使用でくすみが気になりだしたら外装仕上げしてみるのもいいかもしれません