時計の雑学

誰かに話したくなる、時計の雑学！「時計の写真、何故10時08分？」

公開日: 2022/10/25

時計ブランドの多くの写真を見てみて下さい
その殆どが10時08分を指しています
何か決まりがあるのでしょうか？今回は時計の写真10時08分の謎に迫ります！

時計の商品写真

高級時計ブランドは世界中に沢山あります
最近ではECサイトが多くリユース業界等も入れると本当にたくさんの時計の商品写真が出てきますよね

その多くが10時08分を指している事にお気づきですか？

PATEK PHILIPPE（パテック・フィリップ）

AUDEMARS PIGUET（オーデマ・ピゲ）

VACHERON CONSTANTIN（ヴァシュロン・コンスタンタン）

世界三大高級時計ブランドの商品写真を並べてみました、如何ですか？
正確には10時10分より少し前と言ったところでしょうか？

中古市場の時計販売でも時計の商品写真は殆どが10時08分頃を指しています
もちろんこのTOPGEARの写真も10時08分頃を指しています

こんなにも多くの写真が10時08分頃を指しているのは何か理由があるんでしょうか？

10時08分の何故？

多くのブランド時計には文字盤上にブランドロゴが入っています
12時位置であったり、6時位置であったり・・

また、DATE機能がある時計には小窓が付いており、それも12時位置や3時位置が多いですね

またクロノグラフ機能が付いている時計では、30分積算計や12時間積算計、スモールセコンド等様々な機能が文字盤上に配置されています

そういったロゴやDETA表示、スモールセコンドに被らないように針をセットすると10時08分になるんです！

さらに、10時08分の針位置は時針と短針が重なっていないので針のデザインも綺麗に見えるんです

では、10分ではなく8分なのは何故でしょうか・・？

精密機械の美しさ

10時10分の方がキリが良いし、合わせやすい
なのに何故、商品写真の多くが10分より少し前の時間を指しているのでしょう？

正解は、「時計の躍動感を表現する為」だそうです

時間は止まる事がありません
絶えず流れているもの

と、いう事は時計も絶えず動いている姿が正常な姿と言えるでしょう
しかし、写真は静止画
動くさまは見られません

ですので、最近のECサイトでは動画で針が動いているところを見られるようになっているブランドも多くあります
時計の機能美は何度もお伝えしています
時計愛好家達の多くがその精密機械の機能美に魅力を感じている事も

10分丁度では止まっている感じが強くなる
中途半端？な位置の方が動いている感じ、躍動感が表現出来るのでは？
と言う事で、多くのブランドが商品写真の針の位置を10分より少し前に合わせているのです

3針時計の秒針

ここまで書いて来たのは2針時計の話し
3針の場合はどうでしょうか？

センターセコンドである3針は針の数が多いですよね？

殆どのブランドが10時10分少し前に時針・分針を合わせているのに比べ秒針の位置はばらつきが多く見られます
しかし、多くが40秒前後辺り
もしくは30秒前後辺りでしょうか？

秒針位置が40秒前後の時計

秒針が30秒前後の時計

秒針に関しては、文字盤上に配置されている機能によって同じブランドでも位置が違う物があったり様々です
基本的に時針・分針が10時10分前が多いので、機能の邪魔にならないようであれば
バランスの良い30秒や40秒辺りが多いようです

各ブランド毎に一番綺麗に見える位置を模索した結果10時10分前後になっているのですが
ケースの形は様々

ラウンドケースやトノーケース、スクエアケース等がある中で
時針・分針に関してはどの時計もほとんどが同じ位置を指しているのは面白いですよね？

時計は小さな精密機器であり、小さな芸術品でもあります
毎日使う事が出来るのに、そのデザイン性は高く宝石等で装飾される事も珍しくありません

そんな時計だからこそ、より美しく見える形を各ブランドが追求した結果
それぞれのブランドが違うアプローチで同じ位置にたどり着ているのだとしたら
こんなに完成した形ってあるのでしょうか？

凄い事だと思いませんか？
普段何気なく見ている時計の10時08分
完成した「美」の形
皆さんも一度、意識して見てみて下さい
その美しさに嵌る事間違いなしです！