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時計の雑学

ドイツ時計の最高峰【A. Lange & Söhne】の魅力に嵌る!

公開日: 2022/02/04

高級時計と言えば本拠地をスイスに置いているブランドが多い事は皆さんもご存じだと思います
が!近年ではドイツ時計が頭角を現し、非常に高い人気を持っています
そんなドイツ時計の筆頭と言えばやはり【A. Lange & Söhne】ですよね
今日はそんなドイツの雄A. Lange & Söhneの魅力に迫りたいと思います

 

 

 

 

 

A. Lange & Söhne(ランゲ アンド ゾーネ)の歴史

 

 

1845年、フェルディナント・アドルフ・ランゲによってグラスヒュッテに独立工房が構えられました
これがA. Lange & Söhneの創業とされています
170年以上の歴史を持っているんですね
世界三大高級時計ブランドに名を連ねる、オーデマ・ピゲの創業が1875年と言われていますから、歴史だって負けていません

 

1868年長男であるリヒャルト・ランゲが経営に参画した事を機に屋号が正式に【A. Lange & Söhne】と改められました

 

ただ、ドイツに歴史があるという事は否応なくA. Lange & Söhneも歴史の波に翻弄されてしまいます
第二次世界大戦後東ドイツ領となってしまった、グラスヒュッテに構えていた工房はソ連の占領下におかれその名前も消滅してしまいます

 

1948年、4代目であるウォルター・ランゲは西ドイツのプフォルツハイムに亡命
時計工房を開き、A. Lange & Söhne再興の機会を窺い続けていました
その願いが叶ったのが、1989年ベルリンの壁崩壊です

 

ドイツ東西が統一された1990年、ウォルター・ランゲはすぐさまA. Lange & Söhneの再登記と商標登録を行い
元グラスヒュッテである、現ザクセン州に本社“ランゲ・ウーレンGmbH”を設立しました

 

 

A. Lange & Söhneの名が消滅してから、42年越しの事でした

 

 

現在ではゼンマイやムーブメント等全てを自社開発生産している世界でも数少ないマニュファクチュールとしてその名が全世界に知られるまでになっています

 

 

 

 

 

 

世界最高水準の時計を製作する

 

 

創業者であるフェルディナント・アドルフ・ランゲは「世界最高水準の時計を製作する」を目標に掲げていました
再興を果たしたウォルター・ランゲは「時計に要求されること、また自分自身にも要求しなければならないことがある。それは、決して立ち止まってはならないということだ」と語っていたそうです

 

これらは企業理念として現在のA. Lange & Söhneにも引き継がれ時計の製作だけでなく、社会責任や持続可能性等の問題においても常に念頭に置いているそうです

 

1994年、再興を果たし、「世界最高水準の時計を製作する」を念頭についに復興第一弾のモデルが発表されました

 

 

 

ランゲ1 ・ サクソニア ・ アーケード ・ トゥールビヨン “プール・ル・メリット”

 

 

の4モデルでした
中でもランゲ1は復活の象徴とされ、特徴的なアウトサイズデイトはブランドのアイコンとなっています
現在でも人気の高いモデルとなっていますね

 

 

 

 

 

 

A. Lange & Söhneの時計

 

実際の時計をご紹介しましょう!

 

 

 

 

ランゲ1

 

 

上記でもご紹介したA. Lange & Söhne復活の象徴たるモデル
二等辺三角形を描くように配された各表示は重なる事がなく高い視認性を実現しています
また、ブランドのアイコン的デザインであるアウトサイズデイトは他ブランドの同じサイズの腕時計に配されるデイト表示に比べ3倍近い大きさがあるようです
この印象的なデザインは複雑なようでシンプル、計算された「美」が感じられる気品溢れる名品です

 

 

 

 

サクソニア

 

 

こちらも再興の時から続く人気モデル
サクソニアの特徴といえば“機構”です
メカニズムの本質的要素に重要点がおかれ、ムーブメントを出発点として開発がスタートするサクソニア
複雑機構の時計に限らず、基本的な機構の時計であっても、その機構の機能的最適解、審美性を兼ね備えた機構の開発を絶えず続けているのです

 

 

 

 

1815

 

 

1815の由来は創業者であるフェルディナント・アドルフ・ランゲの誕生年に由来しています
その事から分かるように、このモデルでは技術や思想を含め創業者への思いが込められたモデルになっています
一際目を引くベゼル沿いをぐるりと走る鉄道のレールの様な分目盛
これは、懐中時計の重要性が増した時代、そしてFA・ランゲが工房を開設した時代を表しています

 

 

 

 

オデュッセウス

 

 

スポーツモデルであるオデュッセウス
堅牢性と防水性を追求しながらも損なわないエレガンス
ブランド初の採用となったラバーベルトもカジュアルにみえて気品に満ちています
アウトサイズデイトの存在感も素敵ですね

 

 

 

如何でしたか?
歴史の流れに翻弄されながらも損なわない、時計への情熱
古きを蔑ろにせず、新しい物も取り入れる柔軟性
「世界最高水準の時計を製作する」と言う目標に向かって絶えず進む力
それら全てがA. Lange & Söhneと言うブランドの魅力に繋がっているんですね!

 

これからのA. Lange & Söhneにも注目していきたいと思います