オーバーホールは本当に必要なのか?
時計には定期的にオーバーホールが必要です
・・、それって本当なのでしょうか?
もちろん故障した場合に修理が必要なのは分かります
故障してもいないのにオーバーホールはなぜ必要なんでしょうか?
今回はオーバーホールの必要性について書いていきます!
オーバーホールとは?
オーバーホールとは「機械製品を部品単位まで分解して清掃・再組み立てを行い、新品時の性能状態に戻す作業」の事
時計だけに使われる言葉ではないんですね
オーバーホールは必要か?
時計は精密機械です
特に高級時計と言われる機械式の時計やトゥールビヨンの時計などは、何百と言うパーツが緻密に組み合わさりその能力を発揮しています
また、機械式時計の内部(ムーブメント)は、大小多数のギア(歯車)がゼンマイの力を伝達して駆動するという構造のため、その駆動部分には潤滑油が欠かせません
経年劣化により、この油分が減少するとどうかるか・・
時計の精度が落ちる
パーツの摩耗が激しくなる
最悪の場合には・・、パーツが破損する事がある
自分の時計はクォーツ式なので大丈夫!
と、思った方、いらっしゃいませんか?
経年劣化により防水用のパッキンが劣化していると・・
時計内部への水分の侵入を許してしまう・・、なんて事も
時計の様な精密機器と水分の相性は良くありません
万が一水分の侵入を許してしまった場合どうなるか・・、想像もしたくありませんよね
例えば、オーバーホールによりパーツの摩耗が見つかりパーツ交換を行う
防水用パッキンの劣化が見つかりパッキンを交換する
オーバーホールを定期的に行っていれば、早期に悪い部分を見つけ出し悪い部分のメンテナンスを行うことで大切な時計を長く使用する事が出来ます
オーバーホールをせずにいると気付かないうちに劣化が進み、最悪の場合ムーブメント全体の交換などになり大きな損失になります
やはり、オーバーホールをすることは必要な事なんですね
オーバーホールの適正な頻度は?
どのくらいの期間でオーバーホールを行うのが適切なのかと言うと
機械式時計で約3年~5年
クォーツ式時計で約4年
と言われています
オーバーホールって具体的に何をする?
1,分解
ムーブメントを含め、全てのパーツを分解します
↓
2,洗浄
分解した各パーツ・時計ケース・ベルトの超音波洗浄、外装のポリッシュ(磨き)を行います
↓
3,調整
部品劣化の有無や残留磁気のチェック、駆動部分の注油を行います
↓
4,組み立て
ネジ1本の緩み無く組立て、防水性能や仕上がりのチェックを行います
これらがオーバーホールの一連の作業となります
オーバーホールはどこでもやってくれるのか?
上記の作業工程を見ていただければ分かる通りオーバーホールには技術が必要です
例えば、、機械式の時計やダイヤモンドがセッティングされている時計
トゥールビヨンの時計などをオーバーホールに出す場合に断られた経験ってありませんか?
いわゆる高級時計は機械式の時計が多いです
機械式の時計はクォーツ式に比べ内部のパーツも多く機構も複雑で、対応する技術を持つ職人がいない場合断られる事があります
オーバーホールに出す側としても、大切な時計を預けるわけですから信頼できるところにお願いしたいですよね?
もちろん、正規店に任せる事が一番安心です
しかし、正規店の場合思った以上に費用がかかったり
海外の工房に送るため、時間が掛かったりと気軽にお願いできない場合も多いです
では、どこにお願いするのがいいのか?
そこで、一つの目安となるのが実績です
どれだけたくさんの時計を修理・メンテナンスしているか
どんな時計を主に扱っているか?
時計を預ける上で、これは大切な判断材料です
やはりお店によって、得意とする時計は違ってきます
クォーツ式の時計に強い店舗
機械式の時計に強い店舗
お願いしようとしている店舗が、どういった時計を主に扱っているのか
どれくらいの実績があるお店なのかしっかり調べて、ご自分が安心、信頼して預けられるお店を選びましょう
また、オーバーホールは内部の点検だけでなく
ケースやベルトの超音波洗浄、外装ポリッシュもってもらえるので
購入したてのように生まれ変わることも
思い入れがあったり、お子様に継承したい、資産として持っておきたいなど
時計は長くお手元に置かれる方も多いです
使用していないからといって劣化しないわけではありません
大切な時計や高価な時計ほど、定期的にオーバーホールを行って長く使用しましょう!