2022年12月1日
機械式時計の“自動巻き”と“手巻き”何が違ってどちらが良いのでしょうか?
機械式時計を見ていると、「自動巻き」と「手巻き」と言うのをよく目にしますよね?
これ、何の事がご存じですか?
「自動巻き」と「手巻き」何が違ってどちらが良いのでしょうか?
機械式時計
時計の動力は大きく分けて2種類あります
「電池」か「ゼンマイ」です(過去に「機械式とクォーツ式、選ぶならどっち?」で詳しく書いていますので読んでみて下さいね)
ゼンマイを巻き上げ、解けていく力を動力としている時計が「機械式」です
更にその機械式時計にも2種類あり
「自動巻き」と「手巻き」です
ゼンマイを巻き上げ、解けていく力を動力としている機械式時計はゼンマイが解けきってしまったら止まります
動力源を失ってしまうのですから当然です
ゼンマイを完全に巻き上げ解けきるまでにかかる時間、これが「パワーリザーブ」です
時計のスペック表示等に“パワーリザーブ72時間”等の表示を見かける事があると思いますが
これはゼンマイを巻き上げた状態から解けきるまで72時間は駆動しますと言う意味です
機械式時計のゼンマイは解けきるまでに巻き上げを行う方が良いとされています
この巻き上げ作業を自動的に行ってくれるのが「自動巻き」
自身が手作業で巻き上げるのが「手巻き」です
機械式自動巻き
最近は「自動巻き」の時計が圧倒的に流通しています
時計の文字盤や裏蓋等に“automatic”と刻印してあったりします
この刻印を見て、クォーツ式と勘違いしてしまう方もいらっしゃいますが
これは「機械式」の「自動巻き」と言う意味です
「自動巻き」は手首に装着した状態で手首の動きによって自動的に巻き上げを行ってくれる時計の事です
つまり、パワーリザーブ72時間の時計を毎日装着する場合は
止まることなく使い続ける事が出来ると言う事です
以前この時計の雑学でも「「ワインディングマシーン」って何?必要なものなのか?」でご紹介した“ワインディングマシーン”
これは、機械式自動巻きの時計を長期間使用せず保管する為のマシーンで
収めた時計を自動的に動かすことで巻き上げも自動で行ってくれる優れもの
このワイディングマシーンで保管する事により時計を止めることなく動かし続ける事が出来ます
機械式手巻き
高級時計の愛好家の中には「手巻き好き」な方が多数いらっしゃいます
「手巻き」はその名の通り、ゼンマイが完全に解けきって時計が止まってしまう前に
手動でゼンマイの巻き上げを行う時計の事です
手巻き時計の場合パワーリザーブに関係なく1日1回はゼンマイを巻き上げておいた方が安心です
長期間着用の予定がない場合でも1日1回はゼンマイを巻き上げておいた方が良いでしょう
この作業を“手間”だと考える方は「自動巻き」がお勧めです
しかし、前述した通り機械式時計の愛好家の中には「この手間こそ醍醐味だ」と思う方が多数おり
手巻き時計は根強い人気を得ているのです
※パテック・フィリップの美しい手巻きキャリバー グランドコンプリケーション
元々、機械式時計の複雑機構が好きという方が多いので
自身で巻き上げを行う事で自身が時計を動かしているという事実を醍醐味と感じるようです
また、この“手間”こそ愛着の源になっているんです
「自動巻き」か「手巻き」か
100%個人の好みだと思います
ただ、向き不向きはあると思います
毎日の巻き上げ作業を「面倒くさい」と感じる方は自動巻きをお勧めします
この作業を「楽しい」と感じる方は手巻きがお勧めです
また、時計を実用的に時間を知るための道具として使用する方は自動巻き
趣味を兼ねて時計の機構の美しさにも惹かれるという方は手巻き
時計のメンテナンスはオーバーホールしかしない方は自動巻き
時計の掃除など出来るところはセルフメンテナンスを行うという方は手巻き
また、毎日装着するかしないか
ワイディングマシーンの有無なども参考にするといいかもしれません
如何ですか?
ご自身は「自動巻き」と「手巻き」どちらが向いていると思いますか?
単純に時刻を知りたいだけの道具として腕時計を見ている人は
大量生産出来るクォーツ式の方やスマートフォン、ソーラー時計を使用する方が多いかもしれません
わざわざ流通量が少なく高額な機械式時計の購入を考えるだけで立派な時計好き
自動巻きと手巻きは本当に幸せで悩ましい選択です
1番はご自身の好み
ご自身の性格がどちらに合っているかも頭の片隅に
参考に選んでみて下さいね