綺麗なだけじゃない!ムーブメントを彩る宝石の秘密に迫る!
ムーブメントで使用されている美しい「石」
ルビーが使用される事が多いのですが、何故高価なルビーが使用されるのでしょうか?
今回はそんなムーブメントの「石」に迫ってみたいと思います
ムーブメントの美しさ
時計の精度はムーブメントで決まります
どの様なムーブメントを使用しているかは腕時計にとって最も重要な事の1つなのです
そして最近流行りの「スケルトン仕様」
腕時計にとって心臓部であるムーブメントの美しい機構の働きを見ることが出来るとあって
ここ数年人気が高まっています
ムーブメントの美しさは、複雑な機構だけではありません
そこかしこに美しい「石」がセットされているのです
綺麗ですよね・・
これらの細かい部品1つ1つが正確な動作を行う事で、正確な時間を刻んでいます
精密機器の美しさ以外に、ピンクの美しい石が確認出来ますよね
これらの石がムーブメントの美しさを一層引き立てているように感じます
が、これらの石
装飾の為に付けられているわけではありません
では、これらの石はどんな役割を果たしているのでしょうか?
「石」の役割
時計の内部では複雑な機構が様々な役割を果たしながら動いています
歯車やゼンマイが互いに影響し合いながら時を刻んでいるのです
そして、これらの回転する歯車の軸受けとして「石」が使用されているのです
もう少し分かりやすく説明すると
歯車を回転させる為に真ん中に「軸」を通します
そしてその「軸」を“地盤”と“受け”で挟み込む事で固定しているのです
しかし、歯車は回転します
回転すると言う事は、地盤も受けも「軸」の接合部分が摩擦により摩耗していくと言う事です
この摩耗から地盤や受けを守る為「石」が“軸受け”の役割を果たしているのです
歯車の回転による摩擦から守る為
軸受けである「石」も摩擦に強いものでなくてはなりません
その為、強度の高い「人工ルビー」や「人工サファイヤ」が用いられているのです
「石数」の意味
高級時計の仕様やスペックをみると「石数」と書かれているのを見かけますよね?
この「石数」がムーブメントに使用されている“軸受け”である「石」の個数を表しています
つまり、「石数」が多いと言う事はそれだけ“軸”を必要とする部品が多く配置されている
複雑な機構になっている証でもあります
その為「石数」が増えると、価格も高額になっていく傾向にあります
とは言え、、「石数」が多ければ良い
と言うものでもありません
通常シンプルな機械式時計の場合約17石あれば十分と言われています
余談ですが・・
昔のアメリカでは17石より多い時計に高い関税をかけていました
これによって18石以上の時計は高級時計とされたり
アメリカ向けの17石以下の時計とそれ以外の18石以上の時計を分けて作られていた時期があったそうです
高級時計の研究・開発が進んでいる現在では
「石数」も増える傾向にあり
シンプルな機械式時計で約25石~30石の物が多いようです
複雑な機構の機械式時計では50石を超えるものも存在しています
小さなムーブメントの中に50石のルビー
どれだけ美しいムーブメントなのでしょうか、見てみたいですね
石数の表示
石数はどこに表示されているのでしょうか?
・時計の仕様(スペック)に書かれている
・ムーブメントの仕様(スペック)に書かれている
・ムーブメントに刻印されている
等が、あります
仕様に説明として書かれている場合は“石数:21”や“21石”と書かれている事が多いですが
ムーブメントに刻印されている場合は“21 jewels”となっている事が多いです
上の画像
ROLEXのキャリバー4130です、デイトナ等に搭載されているキャリバーですね
ちょっと分かり辛いのですが、赤枠で囲ったところに“44 jewels”と刻印されています
2000年に開発されたクロノグラフムーブメントであるROLEXのキャリバー4130は
それまでのクロノグラフムーブメントに比べ少ない部品数で組み立てられています
それでも44石も使用しているんですね
複雑で少ないと言えども290の部品から組み立てられているキャリバーですから納得の石数なのでしょうか
こちらはOMEGAとパテック・フィリップのキャリバーです
オメガは17石
パテックは27石使用されている事が刻印されています
時計の心臓部であるムーブメントにわざわざ刻印したり
仕様(スペック)の詳細に石数が表示されると言う事はそれだけ「石」の数が重要視されているからです
如何でしたか?
時計のムーブメントで輝きを放つ「石」について
その役割と重要性に迫れたでしょうか?
この「石」について理解していれば
時計選びの際に、性能を見極める1つの手助けになるかもしれませんね
何気なく見ていた「石数」にも、今後注目してみて下さいね!