意外と知らない?時計を守ってくれている「風防」の事
皆さん、「風防」ってご存じですか?
勿論、腕時計好きの方ならご存じでしょう
でも改めて「風防」ってどんな種類があるのでしょうか?
今日は腕時計にとって大切な「風防」についてです!
そもそも「風防」とは?
時計好きの方ならご存じとは思いますが・・
私自身TOP GEARに入るまで時計の知識は皆無でした
勿論、「風防」?何?っという感じでした
時計パーツには細かく名前が付けられており、文字盤の中だけでもスモールセコンドやインナーベゼル、インデックスやハンドなど多岐にわたります
そして、「風防」
何の事かと言いますと「ガラス」です
文字盤に蓋をしている、あの「ガラス」の事を「風防」と言うのです
風防はその名の通り、風による悪影響から時計を守るための板状の蓋の事です
実はこの風防にはいくつか種類があって
それぞれに特徴も違うんです
サファイヤクリスタルガラス
TOP GEARで扱っている時計の殆どはこの「サファイヤクリスタルガラス」を使用しています
しかし!このサファイヤクリスタル、名前の通り鉱石(人工サファイヤ)から出来ています
なので厳密には「ガラス」ではない・・、と言うことですね
最大の特徴としては硬度です
硬度はモース硬度と呼ばれる10段階の数字で表されます
(※この場合の硬度とは引っ搔いたときに傷が付くか付かないかと言う指標です)
この硬度がサファイヤクリスタルは「9」と位置づけられており、非常に丈夫な事がわかります
次に加工が難しいという特徴があります
非常に丈夫と言う事は、時計を守る風防には最適ですよね
しかし!
実はサファイヤクリスタルはいわゆる高級時計にしか使用される事が殆どありません
それは加工が難しいという事に原因があるのです
難しい加工を施すには時間と技術が必要です
そして時間が掛かるという事は量産も難しいという事
その為高価な素材となっているのです
結果、高級時計の殆どはサファイヤクリスタルガラスを使用していますが、一般的な時計ではあまり使用される事はありません
ミネラルガラス
次にご紹介するのは「ミネラルガラス」と言われるガラスでいわゆる一般的なガラスの事
モース硬度も高いもので「6」、低ければ「3」といったところでしょうか
いわゆるカジュアルウォッチに幅広く使用されています
一般的に多く使用されている素材ですね
最大の特徴としては加工がしやすい事です
これにより量産も可能となり比較的安価で幅広い時計に使用される時計となっています
しかも!
加工がしやすい為、変形ケースやドーム状にも合わせやすく一般的に多く使用されているんです
次に軽量という特徴があります
サファイヤクリスタルに比べかなり軽量と言う特徴があります
その為長時間着用していても疲れにくく普段使いしやすいカジュアル時計にピッタリとなっているのです
アクリルガラス
最後にご紹介するのは「アクリルガラス」と呼ばれているものでプラスチックで出来ているのです
まだガラスが普及する前、1940年~1960年頃の時計に多く見られる風防です
いわゆる「アンティーク時計」の特徴のように言われる事も多いですね
そうなんです
時計の歴史は意外と古く、“0”が発明される前
“ガラス”もまだないような時代から時計はあるんです
その為初期の時計にはプラスチックが使用されており、「風による悪影響から時計を守る為のパーツ」=「風防」と呼ばれるようになったんですね
アクリルガラスの最大の特徴としてはとにかく軽量である事
ご紹介した3つの素材の中では群を抜いて軽いです
そして加工しやすい事
樹脂の為加工しやすい事も特徴の一つですね
加工しやすく軽いのに、現在では殆ど使用される事はありません
(*アンティークを演出する為に使用される事はあります)
何故なのでしょうか?
それは、傷が付きやすいという大きなデメリットがあるからです
硬度で言うと2~3と非常に低く、傷が付きやすいのです
時計は「視認性」が重要視されています
傷が付くと視認性も落ちます
その為細かな傷が付きやすいアクリルガラスは現在では殆ど使用されていないのです
如何でしたか?
「風防」と言っても種類や特徴があるんですね
高級時計の仕様を見ると
風防:サファイヤクリスタル
と表示されている場合が多いです
風防にもいくつか種類がある為、きちんと表示されているんですね
大切な時計を長く綺麗に使用する為に、風防に注目して時計を選ぶのもいいかもしれませんね