機械式とクォーツ式、選ぶならどっち?
時計のムーブメントには大きく『機械式』と『クォーツ式』があります
この『機械式』と『クォーツ式』、何が違って、どちらを選べば良いのでしょうか?
まず、「ムーブメント」とは何か?
「ムーブメント」とは、時計の駆動を担う部分の事で、時計にとってのエンジンの事です
ゼンマイを動力としているのが機械式
電池を動力としているのがクォーツ式です
機械式
次に簡単な機械式の仕組みとメリット・デメリットを見ていきましょう
機械式とはゼンマイを巻きあげ、ほどけていく力を利用して駆動させている時計の事です
機械式には、更に「自動巻き」と「手巻き」の2種類が存在しています
機械式自動巻きとは、主にAutomatic(オートマティック)などの表示がされていて、時計を着用した状態の腕の動きでゼンマイを巻き上げてくれる仕組みになっています
対して手巻きとは、竜頭を手動で巻くことでゼンマイを巻く仕組みになっています
メリット
・トルク(ゼンマイを回転させる力)が大きい
これが何故、メリットになるのかと言うと力が大きい分大きな針を乗せることが出来るからです
デザインの幅がグンと広がったり複雑機構を搭載する事が出来ます
・機能美
機械式のムーブメントはその歯車がいくつもかみ合い力を伝えていきます
その機構自体の美しさにも人気がありシースルーバックなど機構が見えるようにデザインされている時計も多くあります
・資産価値が高い
機械式や複雑機構を搭載する事で自社の技術力の高さを証明出来たり、デザインの美しさから現在ではロレックスを始め高級腕時計ブランドの多くが機械式を採用しています
それは資産価値としても高い事を意味しています
デメリット
・トルク(ゼンマイを回転させる力)にムラがある
機械式時計はゼンマイを巻きあげ、ほどけていく力を原動力としています
巻き上げたすぐは力強いですがほどけていくにしたがって力が弱くなっていき時間に誤差が生まれます
自動巻きの場合は心配いりませんが手巻きの場合はこの誤差を考慮して巻かなければなりません
現在ではパワーリザーブ40時間以上のものがほとんどなので、一日一度巻いていればほぼ問題ありませんが、それを愛着が持てると思うか、手間だと思うかは分かれるところだと思います
・高額なものが多い
機械式時計はクォーツ式よりパーツ数が多く複雑です
組み上げるには職人さんの技術と時間が必要で、資産価値も高い分高額になりやすいです
クォーツ式
次にクォーツ式とは電池を原動力とし水晶振動子(クォーツ)で時間の調整を行っており、かなり正確に時間を刻んでくれます
メリット
・正確
水晶振動子の振動をICによって1秒間に1回のパルス信号に変換、さらに変換された信号がモーター部分に伝わりかなりの高精度で時を刻む事が出来ます
・オーバーホールの間隔が長い
機械式は3~4年毎にオーバーホールを行うのがベストとされていますが、クォーツ式の場合4年に一度で十分とされています
・流通数が多い
現在市場に流通している腕時計の90%以上がクォーツ式とされている為比較的安価で購入できるものも多い
デメリット
・トルク(ゼンマイを回転させる力)が弱い
これによって針が薄く短い、また複雑な機構を搭載出来ない
・修理がしにくい
安価に大量生産されたクォーツ式時計はそもそも分解出来る仕組みを持っていない時計が多い為、修理が出来ない時計も多くあります
何となく、機械式とクォーツ式の違いが見えてきましたね
近年では、クォーツ式にもローターの回転によって電池を充電してくれるオートクォーツが開発されたり
機械式でもない、クォーツ式でもない両方の良い所を掛け合わせたような新しいムーブメント「スプリングドライブ」が開発されたりムーブメントも進化し続けています
余談ですが、この「スプリングドライブ」はセイコーが開発した独自のムーブメントで「電池もモーターも使用しないクオーツ式時計」であり「高精度な機械式時計」とも言われて注目を集めています
機械式とクォーツ式どちらがいいのか?
結論としては、個人の好みかな。と思います
どちらにもメリットとデメリットがあり
そのどれもが自由に選択できる価値感の差のように思います
同じブランドからもクォーツ式と機械式、両方発表されていたりしますし
機能美に重きを置くか、実用性に重きを置くか・・、または資産価値か気軽さがいいか
それらは個人の好みによって分かれるところだと思います
自分が「時計に何を求めているか」、ここを明確にしておく事が時計選びにおいて重要な事なのかな
と、思います